愛の距離がハカレナイ
「当たり前でしょ。私は祐介の彼女なんだから。」

ぐっと引き寄せられた祐介の胸は温かい。

「ねっ、こんな所で…。」

「阿里が悪い。そんなこと言われたら嬉しいに決まっているだろう。」

祐介の唇がかすかに私の額に触れた。

「平川が待っている。急ごう。」

私達は気を取り直して、小走りに駆け出した。

「いらっしゃい。」

私達を玄関先で迎えてくれたのは、香澄の御主人の篤志さん。

私達より2つ年上の篤志さんは、とにかく大人だ。

「やっとくっついたみたいだね。」

篤志さんは私達のつないでいる手に視線を向けて、ニッコリと笑った。

「水島くんからいろいろ相談を受けていたから、本当に良かった。」

「えっ?」

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