ロミオは、愛を奏でる。

「二次会どぉだった?
お兄ちゃん酔いつぶれてなかった?」



「うん
木々羅にストップかけられてた

幸せそうだったな…
ふたりとも…

いい結婚式だった」



リョーちゃんがしみじみ言った



「リョーちゃんは
ホントにお兄ちゃんと珠莉ちゃんが結婚して
よかったと思ってる?」



「うん、思ってるよ

式でも言ったけど、もぉ吹っ切れてるから…
未練はないよ」



リョーちゃんが
イト、しつこいよって顔をした


だって気になるもん



「だって…
リョーちゃんずっと好きだったでしょ
珠莉ちゃんのこと…」



「うん
好きだったね…

でも、もぉ過去形だよ
あれから何年も経ってるし…
いい思い出」



思い出か…



「イトは?
大学生楽しんでる?
将来なんかやりたいことあんの?」



リョーちゃんに話題を変えられた



「楽しいっていうか…
やりたいことっていうか…
イトの大学ね
卒業したら就職先が決まってるの
だからそこにしたの
いいでしょ!」



そんな理由で選んだ大学



「へー…いいじゃん
イトもちゃんと考えて頑張ってんだな」



リョーちゃんはいつも応援してくれる

いつも優しい



「きっと、お兄ちゃんに志望理由話したら
ただラクしたいだけだろ!って
怒られちゃうかも」



「かもね…」



リョーちゃんが笑った



「イトの高校の時の写真は
ユートから見せてもらったけど…
制服似合ってたね
高校時代の思い出は?」



「んー…楽しかったよ
体育祭とか…学園祭とか…」



「彼氏とか、いたの?」



「え…」



なんでそんなこと聞くの?



「あ、いたな!その反応は…

そりゃあいるだろうね
イト、かわいいもん
モテただろ」



「別に、モテないよ」



リョーちゃんだって彼女いたんだし

別にイトの勝手じゃん!



「写真ないの?
あ、今の彼氏は?」



「写真なんてないし…
今は付き合ってる人、いないよ」



リョーちゃんとそんな話したくない



< 18 / 249 >

この作品をシェア

pagetop