また君と恋する
その後、志希が1人になるのを見計らって声をかけた。

「志希」

「ん?」

窓際で胡坐をかく志希の隣に座る。

「何か考え事してるの?」

「いや、別に」

「じゃあ気になることでもある?」

「ないけど……ふっ、なんでそんなこと聞くの?」

ようやく志希は小さく笑顔を見せた。

「うーん。なんとなく」

「……。思い出してたんだよ、さっきの広海と遥海の兄弟喧嘩を。俺、湊とほとんど喧嘩したことねーんだよな」

「そーなの?」

「うん。小さい頃からそーだったらしい。だから、兄弟喧嘩ってちょっと新鮮でさ」

「その気持ちは私も分かる。うちは年が離れすぎて喧嘩にならないんだよね」
< 368 / 475 >

この作品をシェア

pagetop