また君と恋する
「これ、過去話する流れ？　つっても、うちの事情は知ってるでしょ」

「……」

「恋愛は自由にしろ、とは思うけど……まあ、そのせいで離婚する羽目になったわけだけど。でも、息子は私と違って見る目があって良かったよ」

「ちょっと、真白ちゃん。それって自虐？」

「いやいや、わりとマジな話よ？　父親のようには育つな、ってガチで祈ってたし」

真白さんは、相変わらず真白さんだった。

変わらない人柄が落ち着く。

「みんなの話を聞きながら考えたんだけど、私は自由を潰された側だったんだよね」

とお母さんが言って、ようやく思った。

いつから各家庭の話をする流れになったんだろう、と。

でも、聞けて良かったのかもしれない。

こういう機会がないと、踏み入れてはいけない領域だと遠慮していた。

相手のことを考えるのは当たり前だけど、時には自分のわがままを通してぶつかってもいいんだって。

今回の件で知った。


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