また君と恋する
タクシーに揺られて数十分。
綺麗な住宅地の中に、その家はあった。

表札に【Etroile Maison】の文字。
読み方は、エトロワールメゾン。

ここが、今日から暮らすお家だ。


インターホンを鳴らすと、老夫婦が出てきた。

引っ越しが決まった後に一度来た時、挨拶をした山吹(やまぶき)夫妻。ここの家主だ。

「おかえりなさい」

優しい笑顔でそう出迎えられて、私はお母さんと顔を見合わせて笑った。

「ただいま」

何だか照れくさかったけど、温かい気持ちになった。

先に到着して待っていた引っ越し業者とお母さん、山吹夫妻が話を始めたので、私は虹心と先に中へ入れさせてもらう。
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