同期はまさかの御曹司?☆ 番外編完結
瀬名さんのせいだとみんな思ってる。
営業も絶対に彼女に預けたと言っているし、新人だから心配だと思った記憶に残ってたとのこと。
なのに彼女は自分のせいではないと言い張る。

どうしたらいいんだろう…。

今回のことで営業もご立腹。
領収書を渡したと言う営業が午後になり経理へやってきた。

「君!この前預けた領収書を紛失したって聞いたけど。しかも知らないって言ってるって。俺、君に渡したよね?忘れたとは言わせないよ。仕事なんだから忘れました、とか知りませんは通じないよ。」

営業に行く前なのか後ろに康祐のいるのが見える。康祐の担当の営業さんだったんだ。
ってことは前回も康祐が一緒にいたんじゃないの?
もしかして…康祐を見かけたから、だからそっちに気を取られ領収書が疎かになったんじゃ…

私の考えは康祐にも分かったみたい。
康祐が、瀬名さんに話しかける。

「この前俺がきた時に槇さんからお前受け取ってたよな。わかりましたぁ、って返事してたよな。そのあとどうしたんだよ。思い出したか?さっきは知りませんって言ってたらしいじゃん。」

「…」

「思い出せないなんてことないよな。大事な領収書だって槇さん言ってたぞ。」

「…」

「経理に来た時お前プラプラしてたのに俺がきたらすぐに近寄ってきたじゃん。お前仕事してんの?」

「…」

「お前同期だから言うけどさ、もっと周りを見たほうがいいぞ。それにここには遊びに来てるんじゃないんだからやるべきことには責任持てよ。今は新人だから、とみんな思ってくれるけどすぐにそう思ってもらえなくなるぞ。その時困るのは自分だぞ。俺だってそうないように習ってるところだぞ。」 

瀬名さんは泣き始める。
もう言い逃れも出来ないし、康祐に言われ反省したのかもしれない。

金子さんは泣いてるのをみても呆れて話しかけない。絶対わかってたはずなのに金子さんにしつこいとまで言ってしまったんだもの。
瀬名さんが金子さんに謝るしかない。

康祐もそう思い瀬名さんを諭す。
「瀬名、謝った方がいい。」

「ま、槇さん。金子さん。すみませんでした。」
そう言って頭を下げる。

「瀬名さん、今回のことであなたはマイナスよ。これからの挽回を期待するわよ。」
と金子さんは水に流し、また瀬名さんに期待すると声をかけてあげる。

私は金子さんの心の広さを学びたいと思った。

槇さんと康祐はこのまま営業に向かった。

その夜、康祐からLINEが来た。
あの後どうたった?と。

私は「見違えるように前向きになったよ。さすが康祐!」とLINEした。
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