同期はまさかの御曹司?☆ 番外編完結
翌日ユイに連絡をするが返事はこない。

マズイなぁ。
お兄さん怒らせちゃったよ。
どうして俺は短絡的なんだ。
いつも突っ走るなとあれだけ言われてるのに。

朝会社に行くがユイは休みだった。

マジか。

昼休みに携帯をチェックするが連絡もないし、俺からのメールにも既読がつかなくなった。

ヤバイ。
あの怖そうなお兄さんを本気で怒らせたのかも。俺の印象最悪だったよな。

もう死にそうになりながらなんとか1日仕事を終わらせた。

ユイに会いたい。

俺はユイにまた連絡をするとやっと繋がった。

「ユイ?大丈夫か?」

「うん。今日忙しくて連絡できなくてごめんね。」

「お兄さんに謝りに行ってもいいかな?」

「お兄ちゃん今日はホテルにいるからうちにはいないよ。」

「ユイはもう家なの?」

「ううん。今まだホテルにいてこれから帰るところ。」

「どのあたりにいるの?」

「東京駅。」

「迎えに行くよ。」

「いいよ。大丈夫。」

「いや、行きたいんだ。」

「そぉ?ごめんね。じゃ、八重洲口でいいかな?」

「分かった。あと20分くらいで行くな。」

俺は急遽方向転換して電車を乗り換えた。

駅でユイを見つけると思わず抱きしめた。

「ちょっとやめてよ、康祐!」

「ごめん、またやっちゃった。」

「どうしたのよ。」

「いや、お兄さんへの印象を最悪にしたし、ユイと連絡が取れないからもう死にそうだった…。」

「バカね。お兄ちゃんはそんなこと気にしてないと思うよ。」

こんな可愛い妹にこんな短気なアホが付き合ってるのを知ったらダメっていうに決まってるだろ。もし俺でもそんな男は却下だな。

「とにかく帰ろうよ。お腹すいちゃったし疲れちゃった。」

ユイは俺の手を絡めるように握ってきた。

俺は天にも昇る思いで手を握り返し、離したくないと思った。

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