夜明けの光をあつめながら
「人に強調するなら、まずはてめえが一気してみろや。
あ、お酒でもいいんだよ?
中国酒の『白酒』って、度数が高いお酒みたいだし。
ほら、このお店にもあるよ!」

お酒という言葉に敏感なのか、佐々木さんの表情が今日初めて曇る。

「お、お酒?
ってか夏帆、なんでそんな『無駄な知識』を知っているの?」

「いいから飲めや!」

「ヤクザか、この子は・・・・・」

これ以上私や夏帆ちゃんには強要出来ない。
そう感じたのか、佐々木さんはこれ以上私達に無理強いはして来なかった。

そして代わりに佐々木さんから聞こえてくるのは、『楽しい話題』だけ。

私や夏帆ちゃんを笑わせるような楽しい声で、私達のテーブルは盛り上がった。
ご飯を食べるペースも落ちずに、楽しい時間が進んでいく。

・・・・私の異変に気付くまでは。

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