夜明けの光をあつめながら
一方のおばあちゃんは、何も答えなかった。
さっきと変わらない『笑顔』を見せて、私の手を握ってくれるだけ。

多分、『私の声』なんて、聞こえていないのだろう。

でも私は言葉を続ける。
もちろん『笑顔』も見せる。

「後で一緒にお風呂入ろうね。
それで今日は、一緒に寝よ?
それまでは、絶対に外に出ちゃダメだからね」

そう言っても、おばあちゃんの様子は変わらなかった。
頷いたり、言葉も返してくれなかった。

『見ていて辛い笑顔』を、私に見せてくれるだけ・・・・。

それが本当に私にとって、辛い。
・・・・つら過ぎる。


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