夜明けの光をあつめながら
「はじめまして。どなたさん、ですか?」

その『何百回』聞いたかわからない、『おばあちゃんの言葉』に、私は瓶で頭を殴られたような気分になった。
私にとって、『心をえぐられるような言葉』だから、何度聞いてもその言葉には『耐性』がつかない。

でもこんなやり取りを『何百回』もやってきたから、私から言葉はすぐに出て来た。
まるで『ただいま』と言う、挨拶代わりのような言葉。

「・・・・星野七瀬です。
あなたの孫娘です」

私はそう言葉を返すと、おばあちゃんの隣に座った。
そして『とても暖かい、おばあちゃんのしわくちゃの手』を握りながら、私もおばあちゃん同様に『笑顔』を見せる。

まあ、『作り笑顔』だけど・・・・。

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