極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

「ダメか」


翔が落胆の色を滲ませる。一心同体といえる母親の美羽ならチャンスはいくらでもあるが、父親はそうもいかない。


「でもこれからはどんどん動くようになるでしょうから。きっと翔さんにも感じてもらえるときがくると思います」
「それにしても飛行機を前にして興奮するなんて、さすが俺たちの子どもだな」
「たしかにそうですね」


顔を見合わせて笑い合う。

男の子か女の子かわからないが、飛行機好きになる確率はとても高い。なにしろすでに揃えつつあるベビー関連の小物には、飛行機のモチーフを使ったものばかりだから。


「男の子だったら翔さんみたいにパイロットかな」


きっと翔の血を受け継いで優秀な機長になれるだろう。
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