極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

近くのテーブルでは、美羽より少し年上の女性が相手男性と会話を弾ませていた。彼は数分前に美羽のテーブルにいたが、そのときとは比べ物にならないほど楽しそうだ。

いったいどうしたらそんなに楽しく話せるのだろう。

美羽のところにはこれまで五人の男性が回ってきたが、どの人ともうまく会話が続かず、沈黙のオンパレード。相手の質問にも、あまり答えられていない。


「美羽さんは休日にはなにをして過ごしていますか?」


定番の質問がきたものの。


「休日ですか。……そうですね、飛行機の」


そこまで言って言葉を止めた。本当の趣味を話したら相手は反応に困るだろう。
すぐに当たり障りのない映画鑑賞や旅行などの無難な趣味が頭に浮んだが、彼に先を越された。


「飛行機? あ、そうか。美羽さんは空港で働いてるんですよね」


手元にある資料を見もせずにそんな情報が彼の口から出てくる。参加前に頭に叩き込んできたのだとしたら、なかなかの手練れである。
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