極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
「いったいどんな――」
男性が続けたところでタイムアップとなった。
「はい! ではみなさん、お隣のテーブルへ移ってくださーい!」
進行役の男性に促され、銀行マンは「縁があったらまた」と言って隣へ移っていった。
その後もずっとそんな調子で男性との五分間トライアルは進み、結局ろくな会話もできないまま第一ステージが終わった。
「やっぱりこういうのは向いてないのかな」
休憩時間に向かったレストルームで、鏡に向かって本音が漏れる。
そもそも恋愛の場数もしみじみ踏んでいない美羽には、スタートダッシュが決め手のこういった場はハードルが高い。友人に誘われて何度か行ったことのある合コンも、似たような状況に陥り、うまく馴染めなかった。
過去にたったひとりだけいた彼氏は、大学時代に同じゼミに所属している仲間だった。告白されて付き合ったものの『美羽の趣味が理解できない』と振られ、ほんの二カ月足らず、それもキス止まりの恋愛経験だ。