極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

「俺は縁談を回避するために結婚する。キミはお兄さんが結婚するために結婚する。目的こそ違っても、同じ手段で達成できると思わない?」
「でも本郷さんは結婚したくないのでは……?」


結婚が嫌だから縁談を回避したいのではないのか。


「そう。だからキミのお兄さんが無事に結婚するまでというのはどう?」


(……お兄ちゃんが結婚するまで?)


「それはつまり……」
「離婚前提の契約結婚」


翔は顎を引き、真剣な表情をした。

一度結婚して失敗すれば、両親も二度と縁談を勧めてこないだろうといった思惑があるという。同じように結婚を考えられない美羽にとってもいいアイデアではないかと。


「お互いに干渉せずに生活すれば、独身の頃とそれほど変わらない生活ができると思わない?」


頭の中を整理するのに精いっぱいで言葉を返せない。
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