極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
空港はとにかく広いため、移動だけで一日に相当な距離を歩き、走る。決して華やかなだけの仕事ではない。
寝たまま頭を下げる真似をし、彼が掛けてくれたブランケットを顎の下まで引っ張った。少し横になっていればきっと平気だ。
立ち上がってそこから離れるかに見えた翔が、ふと美羽を見下ろす。おもむろにその場に膝を突き、「美羽」と名前を呼んだ。
すぐそばで見つめられたため身じろぎひとつできない。どことなく真剣な表情が美羽に緊張を強いるのも原因だろう。
(――もしかして、この前の夜の話をしようとしてるの?)
咄嗟にそう感じて、いったん落ち着いた鼓動がドクンと跳ねる。
「ぁ、あの夜のことなら、ぜ、全然気にしていませんから」
彼を先回りして平気だとアピールする。軽い口調にしたかったが、うまくできずに口ごもった。
大人の男女がひとつのベッドに寝て、起こるべくして起こった事態だから一方的に謝られたくない。誰も悪くないのだ。