ラファエロ・テンシ
 美男、あり得ない程の美男、よしうでよ、その左腕、神の神をイとした。ラファエロ・テンシ、それは神の名、権現あらたとした。 その御名すけだち、彼はクニタチの男で、とある事で悩んでいた。
 日本人たる者、カンパクであらねばならない。昔、昔何億光年前ー、国はクニタチで高美と香澄の国があったと聴く。
 彼すけだちは端にもならない。彼らは神、俺すけだちは只のヒト。  
 泣いている事千年ー、彼もまた神となれた。思えば眠った時、彼は慮った。自分はそうしがなくて泣いていて、只のー?そう只の神だよね俺ー!
 高美はまるで鳳凰に見えて、またもや二人は朱雀ともあい見えたと聴くー。
 その美麗ー、思えば、本寧の神だってばとう磔。何故あんたは俺だと言ったんだよ。もう無きこの身は逆さに張り出され涙ー、よく、昔よくあったよな。
 クニタチたる者只の磔では無いよ。逆さ、そう逆さに張り出されるだけだよもい。泣いて目覚めたラファエロ・テンシ。
 彼はもう自由でー、城に一人いて相手にも事欠かなかった。思うんだ。彼は青い目をした黒髪でいてかつて、かつて銀髪をしていたと泣いた

 目は空色をしていた。思えば、女でも男でも無くてさテンシ、鑑みるよ。神ってもっと綺麗だよな。

2
 死んだ数億、流れ行き苦しむ事千、苦しいよ。俺は、苦しい。
 知ってた。幾ら泣いても美男のこの子はあたしが見ていたわ。
 洸は泣いていた。思うよ。婢女にコウエイを連れて、その婢女は実は男で二十歳、出来ていた。洸は必ず美男のテンシを、すけだちを物にしようと目論んでいた。
 笑っていた。叶わない。本寧は、花朱雀しか無い事を。
 その女、その髪はー、意図しない色をしていた。時、流れエデン、名は旧約より出立ち新たかでは無くも極楽、今しがた帰ったテンシをみな見ていたー。
 笑ったテンシは、目覚めない。衝撃に死ぬ可能性もあった。そのエデン、美男しか入れない、
いる女は洸のみ。完全なはべりとしたー。思って、ねえ。
 分からない。
 すけだちは俺。ラファエロは天使の名だろ。苦しい。
 俺を誰も愛さないだろうな。死んだって、消えたって、下らないこの俺を、八つ裂きにして、消して下さい。

3
 悩む事千、自然拝になりたいー。美男なのにー?そう言い寄られた女は美しく綺麗だった。洸ー、そう、洸は迷妄天に耽っていた。場所は針、泣いても戻れないってば。
 地球をつん裂く様に聳える天、針。そこを踊り出頭の中はもう神の様相で天衣をまたも纏った。風は時に吹き止まる。
 思うの。あたしあんたしかいない。泣くの。
 思って、死んだら永遠にいよ。洸は笑ってコウエイと口付ける様に散った。城が針にはある。其処こそが天、もうあなたは逃げられない。
 針はあたしに宿っていて、イチジ、そう名を改めたわ。下らない事は無いの。只、すけだちじゃ無いのよあんた。もうちょっとだけ高尚。

4
 昔、その昔、すけだちは偉大な男だった事がある。黒髪、黒い目の、もう泣きたい程の黒さを宿すクニタチの神だった。
 涙を流した。苦しいです神。俺は神です。彼は悩んでいた。その星、宇宙は黒かったと言った。怖い。普通はもっと世界は美しいと言った。虹だー、
 見えない。彼には美し過ぎる物は見えなかった。
 美しいのは彼だけだと言った神が一人いたからー。名を洸。
 只の女神だった。大因業で、消される神だった。思えば、下らない位幸せだったわ天。あんたの為にあたし死にたい。
 死んでもまた湧くわバーカ。沸かないわよ更に事更には。消えたいの。幸せな数が無量大数に及ぶと消える神がいる。気儘に、そうあらたかにも。
 ラファエロは止めたわ。そう言った。止めてないてこのう。キャハと笑った洸は、今日も綺麗だった。一番、綺麗だった。その色は全てに及んだ天。
 天界に及ぶ物無し。リンゴの価値たるや如何。もう、意味なんて無いのよ。しがない天、洸の御言葉であった。

5
 まだ、まだ帰れないよ天。ラファエロが帰ったと聴く。一番美麗な男ー、ラファエロ・テンシ。
 彼をみな求めていたー。慮れば、彼しかいない。彼はテンシの中でも最大威の美男であった。泣いた事が多く、誰もが必要としたからだった。何で?
 何で俺だけが必要なのみなー。理由なんて無い。ラファエロー?あんたはあたし達に必要だ。
 もう死んだすけだちにも言うのー?今に俺、裏切るかもよー。
 他にも神はいるだろ。バカにしたら左腕が殺すぜ。俺は王とも呼ばれたいんで。バーカ。思えば、あたしには知らない事があった。
 余りにも美しい男は、愛して只消せば良いと思ったのよー。

6
 死後ジバー。宇宙の数多くも、その闊歩たるや全、毎日楽しいと聴く。テンシは一人、笑っていた。苦しい事を無くしてと言った。みな叶えた。
 もう、何も要らなかった。知らない事があった。俺、只のクニタチのすけだちだったよ。針は分からないの?答えは帰って来ては風に吹かれた。
 分からない。只、カンパクは美しかった。何と、俺の方が他の神より美しかった。今に消すだろ俺をー。
 そう、思った。笑った。空笑いだった。バカにした罪償え全。分からない。何故すけだちだったのにすけだちにしない。怒っていたテンシは、針を切る程に握った。
 あんたさあ、本当ドウともしないよね、
そう言われて女神があいま見えた。美しい、それはディテーにさえ見えたと言う。
 少しばかり金髪をくゆらせて、目は濡れていて綺麗だった。嘘だろー。
 何と、すけだちでは無く、俺はラファエロ・テンシにしか見えなかったと言われた。そんなー。   
 その何十年が無意味だったとは効くわ。泣いた。抱かないで。殺さないで。もう沢山だ。死んだってすけだちの事思うわ。
 そもそも何でこんな美しいー?生きていたよな俺ー?笑わなかった洸は、あんたを娶ると言った。
 それで?それで?実は男ですかディテー。それ、本寧期待しちゃいますね。泣く様にー、そう言い捨てたディテーは真顔でー、俺の核心に触れて分かったと言った。

7
 苦しい。すけだちー!そのクニタチの男はな?大きく格好良く、ありがちで、俺、だったよー、そう言ってエデンを闊歩した大きい神にされた。泣いていた。
 もう、何も要らない、
 ラファエロ・テンシは神だった。決して俺では無いはずだ。
 舞うは山吹、その色は太陽と称されて刹那い。綺麗だった。泣くよね。もう、それ等に話しかけて笑った。
 分からない事億に及びました。俺、消えます。

 泣くヒトがいたー。笑わなかった。俺を求めている事くらい分から。でも、あんた等バカだったよ。
 俺の心を欲求するに余りに拙いミタマだ。死ね。そう、言い残して消える所で合った。すけだちだったと永遠に言わないか屑めがー。わなわなした女が、あんたはラファエロ、テンシなんだよ!分からないか!
 じゃあ後を追ってやる!死ねー!屑と言ったか!笑った彼は、後を追われたら叶わない。
 それ程消える言うたるは無いんで。そう、言ったー。何でさあ、物哀しいんだろうね。すけだちて、醜くは無かったよ。じゃあ、誰でも美しかった言うの。
 過度にも。ラファエロ・テンシは、常軌を逸した美男だよ。

8
 死のうか。死んだら付いては来ないだろう。ラファエロは、すけだちを愛していたー。振り返らせてもくれない。
 ある日、本寧を言われた。何と、実はすけだちでいた頃の世界もエデンだと言われた。はあ、嘘ですよ、いましたもの。
 違う。遠出をして、名も無い神達に聴いた。何と、全てが思う通りに行かなくてね、そう前置きを神達はした。人すらいない世界が多く、生きていたとかはみな嘘、あんたはラファエロ・テンシだったんだよと言われた。
 死ぬ際に美しい嘘でも見せたのかと言うと見せていなくて、本当にあんたエンジェルのヒトなの。どの世界もエデンでね、ヒトがいな過ぎて、嘘言うも無いの。あんた、五千エンジェルの長なの。わかった?
 すけだち言うクニタチの事だけど、それがまさかのー、少しどきりとしてラファエロは聴いたー。

9
 みな、ミタマが美しい一連の子でー、あんたは特にね。洸だよ。
 洸が、あんたを欲しい言うてあんたは洸に興味を持たれない男になりたいと言ったからすけだち言う男でいたの。
 断る言うていたの。これからも断って良いけど、洸はディテーなのね。女神で一等美だのね。あんたは嫌だったの。
 寝ていたあんたは、長い事夢を見ていたの。それが、理想郷のクニタチで、すけだち言う夢だったの。
 すけだちー、針が見せた夢だよ。急に眠くなっていたろ。あ、あれー。ディテーの美しさ、あんたの美しさを知れ。
 夢なら叶えた。その男は、本当にあんだだったか。あんたは、ラファエロ・テンシ、張本人のミタマだよ。他の景色が、みな、夢だったんだよ。え、えー。
 そしてこそっと言った。ミタマ以外が、みな、嘘ね。あーれー。天衣を身に付けたラファエロ・テンシは連れて行かれたー。其処ではディテーが待って焦がれていたと言うー。
 今日の洸は、幸せであります。
 ミタマ以外がみな嘘ですカミー。その迸るラファエロ・テンシの愛、慮ります。そのアダムとエバのリンゴの樹たるや、その二番目に仕った愛欲の神なるは、ラファエロ・テンシと、百人のはべりの女であります。
受け入れて、下さいね。

 頭を支えて、今日も複雑そうなカミー。思えば、そんな日々もあったっけ。いつもそうやって言って下さい。永遠に、私達は愛して行きます。放埒でも、構いません。
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