販売員だって恋します
大藤はパーティの招待客名簿を、事前に入手しているし、その中で必要のある人物については事前にチェックもしている。

今回、神崎靖幸もその中に入っていたのは、間違いはない。

けれど招待客の連れまでは、チェックはしていない。
なぜそれが、由佳なのか。

どうやら彼女は、一介の美容部員ではないようだ。

由佳は気付いていなかったが、あの場で彼女はかなり目立っていた。
その中で囁かれていた『くすだ』は苗字ではない気がした。

屋号だろうな。

しかし関係者は、経済関連の集まりに顔を出したことはないはずだ。
それならば大藤だって、知っている。

大藤は唇に指を当てた。
──調べてみるか…。


今回の調査は、ある意味本気だ。
自分で調べるより、プロに確認してもらおう、と大藤は旧友に連絡をした。

「お前の依頼してくる調査って、時々面白いよな。」
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