販売員だって恋します
でも、味は普通……なんだよね。

他のテーブルは、デートで来ている人が多いようで可愛い!綺麗!美味しい!と盛り上がっている。

由佳は淡々を食事をしている大藤を、見るともなく見ていた。

相変わらず綺麗な姿勢。
大きすぎず、小さすぎず、適度な量を口に運ぶ様は品がある。

テーブルマナーも慣れていて、戸惑いは一切感じさせないのはさすがだ。
ナイフとフォークを自然に操って、食事を進めている。

由佳はマナーの良い人と食事をするのが好きだ。

それだけでも美味しい、と思えてしまいそうで、本来の目的を忘れそうになる。

ダメ、雰囲気に流されてはいけない。
お客様をお招きするのにどうか、ちゃんと考えなくては。

食事を進めながら、つい、難しい顔になっていたかもしれない。

「由佳……言いたいことがあるんでしょう?」
笑いをかみ殺すような顔で、大藤がこちらを見ていた。

見抜かれている。
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