販売員だって恋します

そんな翔馬が彼女を自分のパーソナルスペースであるマンションに呼ぶ、と言うのだから、気になるではないか！

普段、表情をあまり出さない翔馬が、少し照れた様子で、彼女を家に招待しようと思う。
と言い始めた時は、正直驚いた。

なんと言っても、無菌室と称したいような部屋だ。

しかも、親との関係があまり良好ではないので、普段なら立ち寄りもしない役員室に来て、大藤にそれを頼んだ。

調査してくれと言われた時は、一瞬、えー……？とはなったけれど、よくよく考えてみたら、翔馬にそんなことを言われたのは初めてだった。

それも、彼女と一日過ごすために。

今まで、翔馬がそんなことを言ったことはないのだ！

だからこそ、全力でフォローしたくなるではないか。

それに成田家のことを思えば、正直、そろそろお相手を見つけて欲しい、というのも本音ではある。

だからこそ、大藤自身がそのスキルを使って確認したのだ。