先生が好きです、好きでした◆おまけのお話追加しました◆
「隣いいですか?」

急に話しかけられ、私は驚きながら声の方を見上げた。

「タピオカ飲みます?」

私の隣には梶先生が座り、予想外の出来事にポカンと口を開けてしまう。

差し出されたタピオカは買ったばかりのようで、受け取るとひんやりと冷たかった。

梶先生との距離が近くて、意識し出したら急にドキドキがとまらなくなり顔に熱が集まってくるようだ。

進路指導で二人きりになったり、行きの新幹線でツーショット写真も撮ったのに、こんなカップルだらけのところに梶先生と二人きりというシチュエーションに動揺してしまう。

「せ、先生、どうしたんですか?」

「それはこっちの台詞です。今は班行動中でしょう?」

怪訝な声色に私は慌てて言い訳をした。

「えーっと、迷子になってしまいました」

「じゃあ皆さん探しているでしょう?こんなところに座っている場合ではないですよ」

「……はい。すみません」

梶先生は私を促すように立ち上がったけれど、私は立ち上がることができなかった。

どうせ探していないもの。
置いていかれたんだから。
動かない私を梶先生はじっと見つめると、またその場に座り直した。

「……もうしばらく日向ぼっこでもしますか。今日は天気がいいから」

付き合ってくれる梶先生が優しすぎて私は膝に顔を埋めた。思わず涙が出そうになってしまったからだ。
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