気怠いお隣さんと恋始めます!
私の住むマンションの近くにある、赤と白のギンガムチェックのテーブルクロスが可愛らしい行きつけのイタリアンのお店で食事をした帰り道、まさか自分がそんな使い古された陳腐な言葉で振られるとは夢にも思っていなかった。
それはそれは綺麗な満月の夜だった。

陽平とは大学の学部が一緒で、必修科目だけでなく選択科目もほとんど一緒で、だから仲良くなるのにそう時間は掛からなかった。
お日様みたいな明るい笑顔に人懐っこい性格の陽平の周りには、いつも人がいた。

そんなお日様みたいな笑顔の陽平が、小夏の笑った顔が大好きなんだと照れながら告白してくれて付き合うようになった私たち。

ーだから私は。最後も笑顔で別れよう、そう思ったんだ。

「…そっか。それじゃしょうがないね。うん、わかった。…陽平、今までありがとう」
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