涙の涸れる日
 朝……。
 佑真に抱きしめられて目覚める……。

「おはよう」

「紗耶、おはよう」
触れる優しいキス……。

「きょうから、お仕事だよ」

「そうだな。あぁ、行きたくない……。ずっとこうしていたい」

「そんな訳にはいかないよ」

「分かってるよ」

「コーヒー入れてくるから、起きてね」

「はいはい。奥さま」

 コーヒーを入れている間に
 佑真は顔を洗って髪を整えてスーツに着替えて来た。

「優秀なビジネスマンって感じがする」

「もちろん。紗耶との生活の為に頑張るよ」

「頑張り過ぎないでね」
本当に心配なんだから……。

「紗耶を抱く余力はちゃんと残して帰って来るよ」

「もう……」

 コーヒーをゆっくり飲んで……。

「じゃあ、行って来る」

「いってらっしゃい」
 
 玄関でハグ……。チュッって触れるキスをして佑真は出掛けて行った。


 コーヒーカップを洗って、私の朝食。
 カフェオレにして、パンをオーブントースターで温める。

「うん。美味しい」
こういうのが主婦の至福の時なのかな?

 掃除、洗濯を終えてひと休み。

 オランダのお土産を広げて、いつ渡しに行こうか考える。

 みんな仕事してるしなぁ……。
 暇なのは私だけか……。

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