涙の涸れる日
紗耶

決別

 あの出来事から二週間が経った……。

 あの時は衝撃的過ぎて何も考えられなかった。

 ただ泣いた……。涙が止まらなかった。
 
 悪い夢なら良かったのに……。
 二人の声が耳から離れてくれない。

 あの日、あの時まで……。
 幸せだと思っていた。
 佑真と愛し合って、結婚して……。

 でも…………。
 私は佑真に裏切られていた。

 あんなに優しく大切にしてくれていたのに……。

 何がいけなかったんだろう?
 私が至らなかったのだろうか?

 そうだとしても、私は私以上の人間にはなれない。

 このまま何も無かったかのように佑真と一緒には居られない。

 だとすれば…………。
 答えはひとつしかない。

 世の中の九十九%の結婚している女性が、夫の浮気、不貞を許すとしても……。

 私は許せない。
 絶対に許さない。

 それなら私がする事はただひとつ。
 離婚に向けて話をしよう。

 確か、兄の友人に弁護士をしている人が居たはずだ。


 兄が帰宅したら話をしよう。

 私の決意を聞いてもらおう。

 私は私の人生を諦めない。

 
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