余りもの王女は獣人の国で溺愛される
翌朝、いつもより早めに起きた私は二コラとリエナに支度してもらい軽い朝食を済ませるとギャレリアの礼儀作法を教えてもらう。
マテリカの礼とはまた違い、足を引く位置やスカートのつまみ具合、頭を下げる角度など細かな部分に違いがある。
ただ基本は似ているので、細かな修正だけで済んだのは幸いだった。
全く違う動きや、礼だったら覚えるまでに時間もかかっただろうし、今日のお茶会参加が不安でしかなかっただろうから。
いきなり王妃様主催の王宮のお茶会に参加するのは、礼儀作法がなんとかなっても不安はあるのだけれど……。
招待されているであろう、ギャレリアの貴族の関係やその立ち位置もまだ把握していないのだから。
そこはなんとか無難に乗り切るしかないだろう。
それこそ社交は、自国にいたときも仕事のようなものだったのだから。
私は、お茶会用に髪やメイクを整えてもらうとちょうど時間になったのか王妃付きの侍女さんが迎えに来てくれたので、王宮の王妃様の庭と呼ばれる今回のお茶会会場へと向かった。
私にはもちろん、この国に詳しい二コラが付いてくれている。
今回リエナとサーシャは部屋で待機だ。
まだ、昨日到着したばかりなので荷物の整理もあると言い。
残って仕事をしていますとにこやかに送り出してくれた。
王妃様の庭園はきれいな花々に囲まれた、きれいだけれど落ち着く雰囲気の庭だった。
そこに、色とりどりのドレスの令嬢や夫人が集まっている。
二コラに先導されて私は今日の主催である王妃様に挨拶するべく、会場で一番賑わう集団へと足を向けた。
王妃様は私が来たことに気づいたようで、周囲を連れたままこちらに向かってくる。
その表情は晴れやかで楽しそうだ。
「本日はお招きいただきありがとう存じます、王妃陛下」
教えてもらったギャレリアの挨拶をして、私はお声がかかるのを待つ。
「よく来てくれたわね。さぁ、顔を上げて。皆に紹介しましょう」
顔を上げると、王妃様はにっこりと微笑んでそして私の手を引き中央へと向かった。