余りもの王女は獣人の国で溺愛される

「リカ。先日、リーヤ義姉上と二コラにこちらの夫婦について学んだと聞きました。どのように聞きましたか?」

 穏やかではあるものの、答えなさいと言わんばかりのにっこり笑顔なリヒャルト様に私は恥ずかしさに真っ赤になりながら習ったことをお話ししました。

「ルト様。ここに来るまで不安でしたが、ずっとルト様は私を好きだと伝えてくださいました。求められることの幸せを、ルト様に出会って知りました。だから、少し怖い気持ちもあるけれど大丈夫なんです」

 抱きしめられた膝の上で私は自分の気持ちを素直に言葉にして伝える。
 だって、私たちは種族の違う異種族間の結婚。
 文化も、習慣も何もかも違う私たちはこれから夫婦になるには言葉でしっかり伝え合わなくては。
 すれ違うようなことだけはしたくない。
 そんな思いから、言葉にして伝えました。

「えぇ、リカ。私はあなたを愛しています。たった一人の、私の大切な番です。だからこそ、深いつながりを求めてやみません。リカが欲しいのです……」

 熱い想いのこもった視線、私を撫でる指先は優しくも熱い。

「ルト様、私もこの短い期間であなたに惹かれました。ルト様、好きです……」

 私の言葉の後には、もう互いに言葉を必要とはしなかった。
 互いに触れ、その熱を分かち合いながらゆっくりと時間をかけて……。
 そうして互いを思いやり交わった時、ずっと求めていたんだと互いに理解した。
 ずっとこの人を待っていたというルト様の歓喜と、私に欠けていたのはルト様だったのだと気づき、一つになれた喜び。
 互いの歓喜と、結ばれたことによって満ちる幸福感。
 こんな幸せがあったのだと、しばらく抱きしめあってその喜びを分かち合う。
 たくさんのキスを交わし、そしてたっぷりと身体を繋げたことでさらに深い繋がりを確かに感じることができた。

 その後も一か月の間は離宮にこもり、二人の時間をゆったりと過ごし、日々互いを求めあうような時間を過ごした。
 とても幸せで、満ち足りた時間を二人で過ごし蜜月期も終わるかに思われた頃。
 私の体調に異変が現れたのだった。
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