【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚
「どうだろ? もし美鈴ならイヤなら、無理にとは言わないけど……」
「……いえ、わたしも同じ気持ちです。だから、言ってくださっても構いませんよ」
わたしのその問いかけに、梓さんは「本当に?」と聞いてきた。
「はい。本当です」
「……良かった」
梓さんはわたしの答えに、安堵の表情を浮かべていた。
その後、梓さんのご両親に改めて挨拶をした。緊張もしていたし、ドキドキもしていたから、どうなるのかと思ったけど……。ひとまず何にもなくて良かった。無事にこうやって挨拶を済ませられたことが、わたしにとっては安心できることだった。
「また来てね?美鈴さん」
「はい。今日はありがとうございました」
「お父様にもよろしく伝えてね?」
「はい。では、今日はこれで失礼します」
わたしはお母様に挨拶をして、梓さんの家を出た。
「……き、緊張した」
今までにないくらい緊張したよ……。心臓が飛び出るかと思った。
でも梓さんのご両親は、とても優しい方だった。お見合いとはいえ、あんなに優しくされるとは思ってもなかった。