私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。

何よそれ。まだ言ってんの……?



白けた目で聖威を見る。ニターって悪そうに笑って喜んでる……。



「ダイスキなパパが偽物とは知らずに言いなりになってイキッてるパパコン婚約者に、どうざまぁするー?しかも、地下牢にオンナ侍らせておまえの前に現れたんだろーぅ?……フッフッ。これはもう八つ裂きの刑だな?」

「……」

オンナ侍らせてって、そこまで知ってるの?果てしない情報収集能力ね。

ため息を吐きたくなるが、それを飲み込んで口を開く。

「もう……韋駄天様の安否がわからないという大変な状況なのに、そんなこと考えられるわけないでしょ!」

「えー?そー?」

「それに私、朝霧様に復讐したいわけじゃないし。芙蓉様に乗り換えるなら、それは勝手にしたらいいわ」

「へー。もう未練なし?」

「無し。無しよ!」

……と、言い切るのは嘘になるが。

実は、冷静になると婚約破棄は普通に傷ついている。衝撃だ。

でも……一番傷付いたのは、朝霧様に信じて貰えなかったことだったりする。

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