私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。

「なるほど。ここ忉利天は、いわば天竜八部衆とやらに護ってもらってるという立ち位置なのだな。だから恩恵」

「それもあるし……あと、それぞれ広大な敷地があって、そのぶん民の数も多いから……まあ、強いて言えばお金持ちなの」

「金持ち!」



須弥山の麓に広がる『王領』の領地の大きさは、忉利天と比べるまでもない。

それゆえに、我々の日常に欠かせない食糧や、日用品、衣類などを生産する量も半端ない。

魔族から命を護ってもらうだけではない。

その生命を維持するための部分の恩恵も受けているのだ。



なので、天竜八部衆は将軍配下とはいえ、内政への発言力も強い。

次期帝位継承権を持つと言われる地位の『天王』様が、この天竜八部衆を取り仕切る習わしがあるせいか。現在の天王様は、天子様だから、余計だ。

そんな天界の軍事力と生命線を握っている『王領』の主たち、この天竜八部衆を敵に回したくはない。と、その上の身分の御方たちは、内心ではそう思っているはず。



「天子?てんし?」

「天帝様の御子ってこと」

「ふーん……」



次代の天帝『天王』様が率いる天竜八部衆には、あの竜樹様の父君でもある『竜王』様もいる。

老舗の大一族・竜族を率いる王だ。天部衆、四天王将軍も一目置いている。

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