私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。


この少年少女剣術大会は、刃先を潰した剣で一対一の手合わせをする。

騎士団の騎兵が審判を務め、一本勝負。場外に出た場合は三秒以内に立ち上がらなかったら、一本となる。

あくまでも『剣術大会』なので、神術単体の使用は禁止。神術剣は使用可能。

……神術剣、とは。その名の通り、神術を剣に乗せた剣技のこと。攻撃力は剣単体の数倍もあるらしい。この神術剣を専門とした騎士のことを『神術騎士』ともいうぐらい、最近では有名になってきた技術だ。

しかし難易度が高く、神術士としても騎士としても手練れでなくては習得出来ない。まだ未熟な子供には技としてはたかが知れてるので良しとしているのだろう。

今、この試合を見たところ、もちろんそんな大技を使う子もいない。身体の小さな子どもがみんな、やー!と可愛く、一生懸命に剣を振り回している。



「可愛いなぁ、子どもたち……」



懸命に頑張る小さな剣士たちを見て、思わずうっとり呟いてしまった。



「そうか?舞空、子ども好き?」

「うん、そうね。一生懸命頑張る姿、可愛いじゃない。聖威は?」

「うーん……」

……そんなに好きじゃないのね。残念。


< 140 / 461 >

この作品をシェア

pagetop