私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。

完全に姿を見せた架威は、私に一歩近付く。

座り込んだままの私だけど、反射的に後退りしてしまった。



「あいつらが来なければ……君と出会わなければ、全て上手くいくはずだったのになぁ……?いや、君が私があの女と共にいる現場を見かけなければ、【被毒術式】を使うだの、君を追放するだの、こんな手の込んだことをする必要もなかったのだけど?」

「あ、貴方はっ……」



私が口を開いたことで、架威は目を見開く。

その仕草をいちいち気にしながらも、開いてしまった口は止まらない。



「貴方はっ……星見候補の令嬢をっ……善見城の星見候補を手に掛けたのですかっ……」



架威は一瞬驚いた表情を見せるも、鼻でフッと笑う。



「なんだ。そこまで行き着いているんだ?」



続け様にフッフッと肩を揺らして笑っていた。

その笑う姿に、恐怖に加えてどことない憤りさえ感じてしまう。

そして、笑いを止めた時。架威は自らの罪の行いを明かすのだった。



「……そうだね。私の狙いは、星見候補の女たちだよ。その為に、あの男の姿を拝借して彼女たちに近付いた」

「な、何故そんなことを!」

「それは何?何故女たちを狙ったか?それとも何故あの男の姿を借りたか?……聞きたいことはどっちも、か?」
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