私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。

目的のためなら、肉親にも手を掛け。

【宿曜】の魅力に取り憑かれ、なりふり構わずにこの天界にやってきた。

恐ろしい……狂気だ。



「『聖域』にリンクできる力が少しでもあるのなら、【宿曜】である可能性もゼロではない。だから私は『聖域』の気配を少しでも感じた者と順に接触した。……まあ、どの女も蓋を開けてみたらカス程度のものだった。『聖域』の強い気配がした娘がいたと思ったら、『闇』神力の付加能力が『聖域』由来の炎の禁呪という危険なものだったという……踏んだり蹴ったりだ」

「……」

架威がブツブツと独り言ちるのを、黙って見ていた。

やはり、星見候補の令嬢に接触していったんだ。……その令嬢らはどうしたのか、とは恐ろしくで聞けない。

だが、そんな恐怖心があるにも関わらず、知りたい気持ちが先行してしまう疑問がある。




「貴方は……【宿曜】を見つけて、その力を取り戻すと仰ってますが」

「……何?」

「……そもそも、【宿曜】や聖域の力は奪えるものなのですか?」




何故、こんな質問をしてしまったんだろう。

愚問だろうか。と、口にした後で後悔していたが。

架威はニヤリと笑う。

「良い質問だ」と。
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