私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
……けど、私のすぐ目の前で起こっていることは、一瞬で。
「……聖威!」
私を背に庇って、架威と向き合っているのは聖威だった。
架威の放った魔力の塊を結界陣で受け止めている。
……本当に助けに来てくれたのだ、聖威は。
「幻術を破るとは……聖威、貴様ぁぁっ!」
「幻術の中でこっそり殺るとか、卑怯なことしてんじゃねえよ!そこまで堕ちたか、兄上ぇぇ!」
聖威の登場で、架威の顔は怒りに歪む。
でも、架威の放った魔力の勢いは衰えていない。堰き止めて壁となっている結界陣にぐいぐいと突っ込んで力押ししていて、聖威も負けじと押し返している状態だ。
結界陣を両手で支えたまま、聖威は私にさけびかける。
「……舞空、早く離れろ!魔力に当てられるぞ!」
「う、うん!」
対抗する術が何もない私は、聖威の言う通りその場から離れる。
だが、少しだけ離れたところで、バン!と唐突に弾けるような爆発音を耳にして足を止めてしまった。
振り返る間もなく爆風に押されてしまい、また地に転がってしまう。
(い、今の何……?)