私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
その様子を少し離れたところで見守っていたのは、天王様と竜樹様だった。
更に遠くからその様子をボーッと見守っていると、ふと振り返った天王様とパチッと目が合う。
「あ、気が付きましたか?」
「あ、はい……」
「ここは善見城内の客室です。気負わず自由に使って下さい」
そう言いながら、天王様はゆっくり歩いて私の寝ている傍にやってくる。竜樹様もその後に続いてきた。
みんな、勢揃いしてる。
気付けば、外はもう日が沈みかけていて薄暗い。
……って、私、どのくらい寝てたの?!
寝ていた間の事の状況がまるでわからないことに気付くと、途端に焦りが襲ってきた。
一度は制止されたものの、今度はゆっくりと体を起こす。
寝台の右側には、聖威と銀太さんが。左には、天王様と竜樹様がいる。
「……あ、あのっ」
「どうした、舞空」
「ま、魔族は?裁判は?……架威は?!」
私がそう口にすると、みんなは一斉に同じ反応をする。
気まずそうな、肩を落とすような。
ひょっとして……。
そして、その答えは想像通りだった。
「兄上を捕まえることは……出来なかった」
やはり。
架威に、逃げられたのだった。