私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。


「何の情報も無しに舞空を今の摩睺羅伽王領へ送るのは危険だ。そう思って、少し下調べに行ってきたんだよ。……那金陀様にも会ってきた」

「老師は……老師は元気にしてましたか?!大丈夫でしたか?!摩睺羅伽王領で、何をしてるんですか?!」

「大丈夫。最後にお会いした時と変わらず、お元気にしてらしたよ。現在、摩睺羅伽王の王城【魔波蛇冠宮】に滞在していて、大掛かりな仕事を命じられて精力的に日々過ごしてるみたいだ」

「摩睺羅伽王の王城に!……何故ですか?!」

「まあ……詳しくは手紙に書いてあると思うから。読んでみるといいよ」

「はっ!……す、すみません!」

気持ちが逸って、ついつい質問攻めをしてしまった。

だって、いきなり老師の所在がわかるなんて、想像すらしなかった。竜樹様、仕事早過ぎます。

焦って取り乱した自分に反省をしながら、一息ついたのち。

その、老師の手紙を開いた。




『ーーー拝啓、舞空お嬢様』



ああ、この毛筆の達筆。これは紛れもなく老師の字だ……。

季節の挨拶を交えている冒頭の文章から、もう感動でジーンと胸が熱くなった。
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