私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
「……微力ながら、私が力になれることが、あれば」
そう呟いて顔を上げると、そこには嬉しそうにニッと笑う銀太さんの顔があった。
まるで、私が何を言うのかわかっていたみたいに。
「いやいや、舞空のおかげで大した前進だよ。舞空の供述がなければ、架威の目的はおろか足取りすら掴めないままだったし」
「いえ、これからも……」
「もちろん。それに、舞空の名誉にだって関わるだろ?俺たちがヤツを捕まえることによって、舞空の無実の罪が晴れる。……まだまだ、俺たちに付き合ってもらわねばな?」
「……はいっ!よろしくお願いします!」
改めて頭を下げる。
「いーよ。そんなに畏まらなくても」と、言いながら「ははっ」と爽やかに笑う声が、下げた頭の向こうから聞こえた。
そう、自分から動き出さなきゃ何も変わらない。
ただ嘆いているだけの自分のままでいてはいけない。
私も……何か、動くんだ。
まずは、この異世界の人たちに協力して、自分自身の冤罪を晴らす。
自分のことは、自分で決着をつける。
一族の無念を晴らすために、異世界までやってきた聖威のように。
決意の表れのように、下げていた拳をそのまま強く握った。
ーーー光に照らされた目の前の暗闇は、僅かに『道』を照らし始めていた。