青は、僕等に微笑まない
仲直りと不遇




「樹里ー。お母さんもう行くからね」


リビングからお母さんの呆れた声で目が覚めて、朝から不愉快な気持ちになった。重い瞼を少しづつ開かせながら、「うん」ってちゃんと返事をしたのに、

「樹里ーー!あんたいい加減にしなさいよ!」

今度は怒り声が聞こえてきて、私は朝から大きな大きな溜息をつくはめになった。頑張って振り絞った声はどうやらお母さんには届かなかったみたいだ。


「今、起きるってば!」

「中学の時は平和な朝だったのにね。あんたらいつまで喧嘩してんの?」

「……うるさいなぁ」


ずっとずっとずーっと私が気にかけてること、お母さんが簡単に言わないで欲しいんだけど。
朝は頭が回らないから、なんだか余計に腹が立つ。


仕事に向かったお母さんを見送って、私も学校へ行く支度をする。時計を見たら家を出る五分前になってて、用意されていたスクランブルエッグを秒で平らげた。

「行ってきまぁーす」

誰も居ないけど。

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