青は、僕等に微笑まない
「……え、それってさ、」
愛ちゃんが私の顔を見据えて、驚いたような顔をする。
「本気で、わからないの?」
「え?」
「…マジかぁ」
愛ちゃん頭を抱えて。はぁ、ってため息。
なにか変なことでも言ったかな?!
「私ちょっと少女漫画読んでる気分」
「えーどういうこと?」
「おもしろそうな展開になってきたなってこと」
「ええ?」
「──じゅりりもアレだね。たぶん。黒だね」
ふふ、っていたずらに笑みを浮かべる愛ちゃん。まるで全てを悟ったみたいな。そんな感じ。
そして、一人でどんどん話を進めちゃう愛ちゃんに追いつくことが出来ないまま、授業開始のベルが鳴った。