男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
 見た目も性格も正反対だが、ふたりからは長年の友好とそれに基づく深い信頼関係が滲んでいた。家政に明け暮れ、そういった関係の構築にとんと縁がなかった私には、ふたりが少し羨ましかった。
「冗談ですよ」
 扉に手をかけたまま、ゼネダ様がポツリとこぼす。
 このひと言で、先の台詞がダボット様の言葉を借りれば『ゼネダ様なりのジョーク』だったことを知る。
「……本当は、心配していました。私も陛下とは長い付き合いですが、ああも憤慨を露わにした陛下を見たのは初めてでしたから」
 さらにゼネダ様は、私が予想だにしない台詞を続けた。言い回しに差こそあれ、先ほどダボット様から伝えられた言葉とピタリと同じだった。そうして、それを口にするゼネダ様の眼差しもダボット様と同じく、私への労りが篭っていた。
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