年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました
気が重いな・・・。なんて考えながら他のカップルたちに目を向けた。
中庭にはカップルしかいない。皆幸せそうにしているなあ。
あれ?その中の一組のカップルに目が止まる。
あれって、斉藤くん?
間違いない。あれは斉藤くん。と、可愛い女の子。
楽しそうに話しながら二人並んで中庭を横切ろうとしている。
私は斉藤くんから目が離せずに固まった。
胸が痛い。どうして?こんなにモヤモヤするの?
そんな私に気付いた隼人先輩が、
「もしもーし!優菜ちゃーん!戻ってこーい!!」
って言いながら私の目の前で手を振って、私の目線を斉藤くんから隼人先輩へ向けさせた。
「あっ、ごめんなさい。なんかぼーっとしてました」
「大丈夫?何か変なもの見たって感じだったよ」
そんな私たちを見ていた彩が、私が見ていた方を確認して。
「優菜、あれって・・・」
「うん、そうみたいだね。彩の言ってたことが現実になっただけだよ。私が答えを出す前に、もう結果は出ているみたい。これで良かったんじゃないかな」
「じゃあ、何で優菜は泣いているの?」
えっ?私泣いてないよ?心は苦しいけど、泣いてないよ。
「ど、どうしたの?優菜ちゃん!俺、何か変なこと言った?」
隣で焦っている隼人先輩。不器用に私の涙を拭ってくれて。
私、泣いているんだ・・・・。