年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました
「ごめんなさい、私、教室に戻ります」
斉藤くんを見るのも苦しい。
それと隼人先輩に気を使わせてしまった後ろめたさもあり、私は中庭から飛び出した。
「待って!優菜ちゃん!!」
隼人先輩が大声で私を呼び止める。それでも私は振り返らずに走った。
隼人先輩の私を呼ぶ声が大きかったから、中庭にいたカップルたちに注目されてしまった。
恥ずかしい。早くここから逃げたい。
中庭を抜けて昇降口まで来た時、誰かに手を掴まれた。
「隼人先輩、ごめんなさい。少し一人になりたい・・・」
そう言って振り返る、と。
私の手を掴んでいたのは斉藤くんで。
私は涙を溜めた目で斉藤くんを凝視した。
「えっ?斉藤くん?どうして?」
その瞬間、涙が一粒頬を伝った。