年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました
駅の前に着き、改札に向かって歩いていたら女の人に声を掛けられた。
「あの、すみません、お兄さん。少しいいですか?」
って。啓太に話し掛けた。
「えっ?俺ですか?」
「そう、あなた。どこかの事務所に所属してます?」
「なんすっか、事務所って」
「あー、俗にいう芸能関係の事務所のことなんだけど。それとも素人?」
「そんなん所属してないっすよ。なんなんですか、いきなり」
「ごめんなさい、急に。私、読者モデルを専門にスカウトして雑誌に掲載する仕事をしているの。A-TOPSっていう雑誌の編集部にいる寺田って言います」
そう言ってその女の人は啓太に名刺を差し出した。
もしかして、啓太がスカウトされてるの?読モに?
しかもA-TOPSって言ったら全国版のファッション誌だよ。
「俺、そんなの興味ないっすから。これお返しします」
啓太は一旦受け取った名刺を返そうとした。
「それは持っていて。もし興味が出たら連絡してください。待ってるから」
「じゃ、優菜が持ってて」
えっ?なんで私に渡すのよ。お姉さんが必死で少し可哀想だよ。