年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました

寺田さんに連れてこられたフロアは天井が高く、大きなセットが幾つも置いてある、良くテレビで見るような所で。

こんなオフィスビルみたいなビルの中にイメージ通りのセットがあって、なんか感動した。

「もうすぐ撮影が始まるから、二人はここに座って見学してて」

「今日はどんな人の撮影なんですか?」

啓太が私の代わりに聞いてくれた。

「今日は雑誌の撮影じゃないんだけど。あるバンドのアルバムジャケットの撮影よ。CHERRY CREEKって言うロックバンドなんだけど。知ってるかしら?インディーズからメジャーデビューして今回のアルバムがデビューアルバムなの」

「わぁ!私たちCHERRY CREEK知ってます!ね、啓太」

「マジで?本人たちがいるんですか?会いてー」

「本人たちはまだ屋外で撮影してるかな。もうそろそろスタジオインすると思うけど」

「うわー!凄いね、啓太。来てよかったね」

「後で声掛けるから、Keiくんと話させてもらうわね。それまでは見学してて。ごゆっくり」

そう啓太に言うと、寺田さんはスタジオから出て行った。

< 187 / 216 >

この作品をシェア

pagetop