年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました
寺田さんに連れてこられたフロアは天井が高く、大きなセットが幾つも置いてある、良くテレビで見るような所で。
こんなオフィスビルみたいなビルの中にイメージ通りのセットがあって、なんか感動した。
「もうすぐ撮影が始まるから、二人はここに座って見学してて」
「今日はどんな人の撮影なんですか?」
啓太が私の代わりに聞いてくれた。
「今日は雑誌の撮影じゃないんだけど。あるバンドのアルバムジャケットの撮影よ。CHERRY CREEKって言うロックバンドなんだけど。知ってるかしら?インディーズからメジャーデビューして今回のアルバムがデビューアルバムなの」
「わぁ!私たちCHERRY CREEK知ってます!ね、啓太」
「マジで?本人たちがいるんですか?会いてー」
「本人たちはまだ屋外で撮影してるかな。もうそろそろスタジオインすると思うけど」
「うわー!凄いね、啓太。来てよかったね」
「後で声掛けるから、Keiくんと話させてもらうわね。それまでは見学してて。ごゆっくり」
そう啓太に言うと、寺田さんはスタジオから出て行った。