年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました
「啓太・・・。お帰り?」
「ねえ、今のなに?優菜」
「しっ、知らないよ。隼人先輩が勝手に。でも、ごめん」
焦ってつい、謝ってしまった。私、何も悪くないのに。
そんな険悪な啓太に、後ろから女の子が声を掛ける。
「啓太!今度また買い出し付き合ってねー!バイバイ」
啓太はその声に反応し、片手をあげて挨拶をした。
「ふーん、啓太。今の、なに?またって言ってたね、あの子。マネージャーだよね。また、なんだ。へぇー」
私も啓太に負けず、不貞腐れて先に歩き出す。
「待ってよ、優菜!買い出しに付き合っただけだろ」
「二人だけで、行ったの?」
私は顔の位置は変えずに、目だけで啓太を見る。
「やめて、その上目遣い。そんな表情するからあの先輩に言い寄られるんだろ。もっと自分の可愛さに自覚持ってよ」
「なによ、啓太だって他の女の子に優しくしちゃってさ。私の知らないところで、二人っきりで出かけるなんて。啓太なんか、嫌い!」
「もう!優菜のやきもち妬き!なんでそんな子供なんだよ!」
「だって、啓太が好きなんだもん。啓太を独占したいじゃん。それって、ダメなの? 私、重い?」
「ばーか!重いとか、ないから。優菜のやきもち、嬉しい。超、嬉しい」
啓太の顔が笑顔すぎて、こっちまでニヤける。
「買い出しは二人だけじゃないよ。キャプテンも一緒だったし」
「なんだ、早く言ってよね!」
私たちは見つめ合って、笑った。