年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました
はぁーっ。またこの時間に優菜の声が聞きたくなった。
俺は全ての具材をカットし終わると、皆から少し離れて優菜に電話を掛けた。
『ゆうなー。元気にしてる?』
『ふふっ、私は元気だよ。啓太は?疲れてない?』
『もう俺、帰りたい。明日合宿帰りに優菜に会いに行っていい?』
『もちろんだよ。待ってる。何か食べたいものあるかな?作っておくよ』
『それ、聞くの?俺が食べたいもの、分かるよね?』
『・・・・ばか!』
『ねぇ、優菜。俺のこと、好き?』
『本当にどうしたの?一体そっちで何があったの?』
『何もないよ。優菜の愛が足りないだけだよ』
『私は啓太が大好きだよ』
『俺も優菜のこと、だいす・・・』
「けいたー!!サボってないで早く手伝ってよー!!」
うわ、おれの告白に田中マネの叫び声が被った。
ふざんけんなよ、田中マネ!
『今の、マネージャーさん?なの?』
「啓太!小百合ちゃんが待ってるよ。早く来てよ」
「田中マネ、うるさいよ。すぐ行くから!」
『優菜ごめん。俺行かなきゃ。じゃまたね』
『小百合ちゃん?って・・・』
携帯を切る瞬間、優菜がつぶやいた言葉は俺の耳には届かなかった。
俺は、優菜の気持ちが揺れたことなど、この時は全然気づかなかったんだ。