愛して欲しいなんて言わない!

ホテルの一室

「俺の名は西九条 隼夜
そのうち親父の仕事を継ぐんだろうけど
今は違う職業についてる

年は…聞く?」

「聞かない

私はあんたに名乗らない」

ホテルの部屋に入った私は
ドアに背中をぴったりとつけて

隼夜とかいう男を睨んでいた

「小西 理菜だろ
私立高校に通う17歳
成績は悪く、人付き合いも悪い
協調性に欠けて、クラスの輪を乱す
問題児」

「問題児ね~
教師が扱い憎いからって
勝手に決め付けられたくないね」

「教師は一対一で生徒を
見ているわけじゃないからね
教師の言うことを聞かないヤツは
問題児なんだよ
餓鬼が」

むかつく!
殴り倒してやりたいけど

近づいたら
何されるかわからない

隼夜はベッドに座って
乱れいてる布団の上に寝っ転がった

「このベッドの乱れはな
俺が昨日、他の女と寝た
証しだ」

何、言ってるの?
他の女を抱いたベッドで

見合い女を抱くってわけ?

良い根性してるじゃない

「で?」

「早く済ませて帰ろうぜ

一回のセックスで
家まで送ってやる」

「誰があんたに抱かれてやるもんか」

「そういう反応
面白いね

でもセックスしないと
帰れないよ?」

「なら、このへやにずーっと
居座ってやる」

「面倒くせえ女」


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