愛して欲しいなんて言わない!

喫茶店

私は着物を着たまま
中学時代の知り合いがいり
喫茶店に入った

カフェと喫茶店の中間にいるような店だった

「いらっしゃい…って
理菜?」

赤いエプロンを着て
テーブルを拭いていた女友達が
目を凝らして私を見た

「そうだよ
コーヒー頂戴」

カウンターの中に立っている大男に
向って私は不機嫌な声をあげた

「理菜のその格好、似合わないよ」

赤いエプロンの優衣が指をさして
笑い声をあげた

「うるさいな~
無理やり着せられたんだ」

私は頬をふくらませてカウンターに
座った

優衣も
私の隣に座る

「髪も黒いじゃん」

「カツラだよ」

「ウイッグって言いなさい」

優衣は私の髪を触った

「見合い?」

優衣が質問をする

私は口をへの字に曲げて
頷いた

「理菜の家なら
やりそうだよね~

相手は?」

「知らん」

「名前は?」

「聞いたけど…
忘れた」

なんだっけ?
ホテルで名乗ってたけど…

思い出せないや

私の脳なんて
そんなもんだ

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