幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!

(なんで、こんなところにひとりでいるんだろうな?)

 誰もいなくなった鉱山で、ひとりで暮らしているなんて寂しくないのだろうか。リーゼだったら、絶対にひとりは寂しい。
 やがて一行の足音だけではなく、違う音も混ざり始めた。奥から響いてくるのは、何か硬いもの同士をぶつけ合っているような音だ。

「……ここから下りるみたいね」

 この穴はシドにはちょっと小さいと思う。
 どうやって下りるのだろう――と思っていたら、彼はしゅるしゅると小さくなった。最初に顔を合わせた時の、子犬の姿である。

「アルダリオン、吾輩がいいと言うまで降りてくるなよ」
「わかりました。あなたも気をつけて」

 アルダリオンの言葉に、ふんと一つ鼻を鳴らし、シドはひょいと飛び下りる。彼が床に到着した小さな足音がした。
 しばらくの間、その場はしんと静まり返った。それからシドが下りてくるように告げる。

「リーゼお嬢様は、危ないですから、私の次に下りてきてください。もし、足を滑らせるようなことがあっても、下に私がいれば安心ですから」
「わかった」
「俺が先に行こうか? 俺の方がでかいから受け止めやすいだろ」
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