死神は花を狂おしい程愛してる
「離れるなっつたよな!?」
「え?でも…飲み物……」
「羽山、こっち!」
「え?あ、はい…」
羽山も蒼士がどんな風にしようとしているのか、わからない。
とりあえず、飲み物が入ったキッチンカートをベットまで移動した。

「花楓、何飲む?」
「え…紅茶を……」
「羽山、紅茶だって!」
「はい、でも…ここで飲まれるんですか?」
「文句あんの?」
「い、いえ…そのようなこと……」
すると、蒼士がムクッと起きてベットの背もたれにもたれかかった。
「花楓、ここ!」
蒼士が自分の足の間を指した。
座れと言う意味だろう。
言われた通り蒼士の足の間に座ると、すぐに抱き締められた。

「どうぞ、花楓様」
「あ、はい、ありがとうございます」
受け取り、フーフーを息を吹きかけた。
「………飲まないの?」
なかなか飲もうとしない花楓に、蒼士が後ろから覗き込むように話しかけた。

「あ…私、猫舌なの……
だから、もう少し冷ましてから…」
何度も息を吹きかけている、花楓。
「そうなんだぁ…可愛いね……
いいこと聞いたな……」
「え?」
「ちょっと貸して?紅茶」
花楓の手の中の紅茶をスルッと取った、蒼士。
そのまま一口飲んだ。
そして口に含んだままニコッと笑い、花楓の顎を上げて、口唇を重ねた。

「んん……」
花楓の口の中に、紅茶が流し込まれてく。
コクッと飲み込むと、蒼士が、
「美味しい?」
と聞いてくる。
「……/////」
顔を真っ赤にしながら、うんうんと何度も頷く花楓だった。
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