死神は花を狂おしい程愛してる
そして、夕食の時間になりダイニングに移動する。
予想はしていたが、やはり椅子が二つぴったりくっついていた。

円形の大きなテーブルに、ぴったりくっついた二人の椅子。
テーブルの上には、豪華な料理が並んでいた。
「行こ?」
と、蒼士が手を引く。
花楓がゆっくり味わいながら食べていると、蒼士の視線を感じる。

「……な、何?」
「んー?可愛いなぁって……」
蒼士が頬杖をついて、ジッと見ていた。
「蒼士さん、可愛いばっかだね。
可愛いって言われるの嬉しいけど、恥ずかしい…。
それに、食べないの?
とても美味しいよ?」
「食べるよ!でも、もう少し花楓を見てから…できればずっと見てたいなぁ…」
頬杖をついたまま、反対の手で花楓の頬を撫でる。

「……////食べよ?蒼士さん」
「うん…」
やっと蒼士も食べ始めた。
そこに洋次がダイニングに入ってきて、蒼士に耳打ちした。

「……??」
花楓が不思議そうに二人を見る。

「あー忘れてたな…」
「どうするの?」
「はぁー会わせるっつたしな……
会わせねぇわけにはいかないよな……」
ため息まじりに話す、蒼士。

「そうだね。アイツ等、ここに来るって」
「はぁぁ!?」
「蒼士さん?どうしたの?」
「花楓、ちょっと待っててね!
おい、スマホ!」
花楓の頭をぽんぽんを撫でると、洋次に声をかけた。
洋次からスマホを受けとると、その場で電話をかけた。
「もしもし?太一?」
『蒼士?約束でしょ?会わしてよぉ。
今、向かってるから~』
「ダメだ!気が変わった!そのまま帰れよ!」
『はぁ?なんでだよ!?
てか、もう蒼士ん家の前だし!』
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