死神は花を狂おしい程愛してる
そう言って、古澤の手首を掴み潰すように握った。
「すみません!すぐ離しますので、蒼士様も手を……」
古澤は花楓の手を離したいのは山々だが、蒼士に掴まれていて、離したくても離せないのだ。

「早く…離せよ……」
「離し…ますから、蒼士様も、手を……
うがぁぁぁーー!!」
ゴキゴキゴキ……と音がして、古澤の手首の骨を折った蒼士。

「早く…離さねぇと、次は反対の手を折るぞ…?」
そして今度はもう一方の古澤の手首を掴んだ。
「もう…許し、て……下さ、い」
「蒼士さん!!
もう…やめて!」
「あ…花楓…?
大丈夫?おいで?」
そこでやっと花楓に気づき、優しく花楓を抱き締める、蒼士。

「蒼士さん、私は大丈夫だから」
「そう…良かった……」
そして花楓に自分のジャケットを羽織らせた。
そのまま顔を覗き込んだ。
「他、何かされてない?」
「うん」
「じゃあ、帰ろ?」
「うん」
指を絡めて手を繋いだ蒼士は、微笑んで花楓を出入口に促した。

出入口に向かう途中、一度振り返った蒼士。
「あ…お前…許されると思うなよ……
羽山、至急…洋次を呼べ!」
「は、はい!」
洋次が用事を済ませ戻ってきて、花楓を一度車に乗せた後、蒼士が洋次と車の外で話をしていた。
二人の表情があまりにも厳しく、雰囲気も恐ろしい。
花楓は不安になる。
そして話が終わったようで、花楓の横に乗ってきた蒼士。
ピタッとくっついて、包み込むように抱き締めた。
「ごめんね…怖かったよな…
もう、一人にしないからね…」
先程の厳しく、恐ろしかった蒼士はどこにいったのか、とても優しい。
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